2010年10月29日

願えば叶う

先日、ある大学の講義にて内定者の4年生に就活の体験を話してもらった。その中の1人の話。


彼女は1年生の時に私の講義をいつもいつも前の席で聞いていた。
口数は少なく、はっきり言ってあまり目立つタイプではなく、バイト先でも指示内容がすぐに飲み込めずよくドジをして叱られてるような子だった。

ただ、彼女には素晴らしい才能が1つあり、人の暖かさを感じる似顔絵が描ける。
うちの娘も描いてもらったがペンを持つと目つきからまるで別人で、そのギャップに驚いた。

それから2年、就活を迎えた彼女は大苦戦した。面接が通らない。
私が彼女につけたキャッチコピー「温画家」は効果あったかな…。

そして先日彼女は遅咲きの内定を取った。

そして講義に先輩内定者として登場した彼女。相変わらずあがり性で真っ赤な顔をしながら、マイク持つ手はふるえ、それでも頑張って話してくれた。それを見るだけで充分感動するんだが、終了後私に彼女は相変わらずカタブツな表情でこう言った。「夢が1つ叶いました。有難うございます。」


1年生の時に、彼女は先輩の内定体験談を前の席で確かに聞いていた。
3年後、私はあそこでみんなに話を出来るよう頑張ろうと決めていたらしい。それが叶った、と。


久しぶりに胸が熱くなった。

夢に大きい小さいはないしいいも悪いもない。
人生の目標やら使命やらを探求するセミナーもあるみたいだが、そんなの人に言われて見つけたり探したり創ったりするもんじゃなく、彼女みたいに一生懸命誠実に生きていたら自然とであうものじゃないかと思う。

いずれにせよ、夢を叶える手伝いをするという私の夢も、彼女は1つ叶えてくれた。

有難う、そしておめでとう。
  


Posted by Hamanaka at 09:52Comments(0)日記